掃除機は我が家の暴れん坊将軍


週末の朝、静けさを切り裂く、けたたましい轟音と共に始まる、我が家の恒例行事、 大掃除の時間。

普段は物静かに、寝室の隅やクローゼットの奥に身を潜めている掃除機は、まるで長年封印されていた凶暴な魔物が解放されたかのように、スイッチが投入された途端、唸り声を上げながら、部屋という名の戦場を縦横無尽に、そして傍若無人に駆け巡る。

床に落ちた無数の髪の毛や、目に見えないほどの小さな埃、そして昨夜の晩酌の際に零れたポテトチップスの微細な破片といった、ありとあらゆる種類のゴミという名の悪党どもを、その強靭な吸引力で容赦なく吸い込んでいく。

普段は手の届かない、ベッドの下やソファーの隙間、家具の裏側といった、薄暗く狭い場所にひっそりと隠れている、しぶとい悪党も見逃さない。

私は、そんな暴れん坊将軍の唯一の手綱(掃除機のホース)を握る、少々疲弊した奉行だ。

将軍の機嫌を損ねないように、コードが絡まったり、家具に引っかかったりしないように細心の注意を払い、吸引力が低下すれば、すぐにフィルターという名の将軍の心臓部を清掃し、その怒りを鎮めなければならない。

時には、子供たちが誤って落とした小さなおもちゃや、私の不注意で吸い込んでしまった大きなゴミなど、予期せぬ障害物に遭遇し、暴れん坊将軍の猛烈な動きが一時的に停止してしまうという、危機的な状況に陥ることもある。

しかし、私の冷静かつ迅速な指示(絡まったコードの整理や、詰まったゴミの除去)によって、将軍は再びその強大な力を取り戻し、悪党退治の戦いを再開する。

そして、ついに部屋中のすべての悪党を退治し終え、床がピカピカに磨き上げられた時、そこには清々しいまでの平和と静寂が訪れる。

暴れん坊将軍は、その日の激しい戦いの役目を終え、満足したかのように、静かに充電ステーションという名の休息場所へと、重々しく戻っていくのだ。

ああ、今日もまた、我が家の平和は、この騒がしい暴れん坊将軍によって、見事に守られたのだ。




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